人間的貧困と救い

 思考の中に経済学が流し込む毒によって、所有欲こそ人間の本質だと思い込まされている。だが本来、承認の欲求、存在の欲求こそ人間的なものだ。そしてそうであるのなら、「わたしはここにいてもいいのだ」という感覚が希薄であるのは、貧困であることよりも貧困であろう。経済的な貧困よりも恐ろしいのは、この人間的・精神的な貧困である。心の糧を養う術を学ばねばならない。

 まだ見ぬものも含めてとりどりの方法がありえるであろう。あらゆる技藝が心を養う。国家だけが救済の、唯一の手段ではない。