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愛することを学ばなければならない

「音楽に聴き入るとき、われわれの内部に生じること、ーーまずはとりあえず主題と曲調を聴くこと、つまり聴き出し、聴き分け、それ自体として独立した生命をもつものとして分離・限定することを学ばねばならない。続いて、たとえ馴染みがなくてもそれに付き合うだけの労力と善意をもち、その眼差しや表情をじっくりと眺め、奇矯な点をも大目に見なければならない。ーーそうすれば、やがてはわれわれが音楽に慣れてしまう瞬間がやってくる。音楽を期待し、音楽がなくてはいられなくなるだろうと予感する瞬間が。そうなると音楽はさらにとどまることなく威力と魅力を発揮し続け、ついにわれわれはその献身的で心酔した愛人となり、もはやこの世にそれ以上のものを求めず、ひたすら音楽だけを願うようになるのだ。ーーしかしこれは何も音楽に限った話ではない。いまわれわれが愛しているものすべてについても、ちょうど同じようにして、われわれは愛することを学んだのだ。疎遠なものに対して、善意と忍耐をもって公平に優しく接すれば、それは最後にはかならず報われる。そうなると疎遠なものも徐々にその覆いを脱ぎ捨て、言い尽くしがたい新しい美として現れてくるからである。ーーそれはわれわれの歓待に対する感謝である。自分自身を愛している者も、同じやり方でそれを学んだのだ。それ以外の道は考えられない。愛することもまた、学ばなければならない」ニーチェ